よどじん(平成28年3月)
2017年2月1日
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「ちょっと狭いけど、ええの撮りますよ」

なになに…来週5日は11時から16時まで外出します。
来月8日は14時まで外出します…。
相変わらず、じっとしてへんやっちゃなぁ。
今月のよどじんは、
西中島3丁目にある「まちの小さな写真館」
新川 治朗(しんかわ じろう)さん(54才)
アカン、息苦しいわ!

西中島3丁目、商業ビルが立ち並ぶ一画にあるレンガ模様のお店。昭和48年に父親がはじめた小さな写真館に、今から約25年前、お手伝いという形で治朗さんが入った。しかし、約1.5坪という限られたスペースに父親と2人。些細なことでケンカが絶えず「こんな狭いところにおったら息苦しくて死んでまうわ!」と店番の仕事はあっさりとお父さんに託してしまう。
外回りの仕事に転向した治朗さん、そこからは雑誌の撮影や卒業アルバムの制作と、カメラマンの世界にどんどんのめりこんでいく。早朝に家を出て夜まで帰らない日もざらで、スケジュール帳には予定がびっしり。近所の方に『あんたいつも店におらんなぁ』と笑われた。
手がけた雑誌は50誌

長年、雑誌の撮影を続け、手がけた雑誌は50誌にのぼる。ただ、そのほとんどが車関係のものだった。
というのも、治朗さんは高校卒業後にバイク屋に勤務するほどの乗り物好き。「趣味の世界で仕事ができるのは本当に楽しいし、幸せ。普通なら絶対に入れない場所からカーレースを見られるのもカメラマンの特権だしね」とはにかむ。
えっ、どっから撮るの?

現在は雑誌撮影の仕事から身を引き、証明写真の撮影をメインにこなす。しかし、小さな店舗の撮影スペースはごく限られている。店の奥にスクリーンを降ろし、お客さんがその前に腰かけると、治朗さんはほぼ店の外から撮影することになる。
「お客さんは躊躇しますね。『どこで撮んねやろ…』って。でも狭いおかげで光がよく回るから、明るい良い写真が撮れるんですよ」と胸を張る。
店に居ますからね!?

「今までが本当に楽しかったから、この先も写真を撮り続けていきたい」と話す治朗さん。
時代とともにまちの写真館の役割も薄れつつある。しかし、写真館の数が減った事で、そのお客さんが治朗さんの店を訪れるようになった。
「これまでは外へ外へと飛び出してきたが、今は訪れるお客さんや地域とのつながりに喜びを感じています。『あんたいつも店におらんなぁ』ってあんまり言われんように、しっかりと腰を据えていきましょうかね」
息苦しくも感じた1.5坪の空間が、今では治朗さんのかけがえのない場所となった。
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